おてがみ

うーん、多分これは見てないのだろうか。たぶん。いやおそらく。いやいや絶対に。決して離れるといった訳では無いのだけれど。けどそれを意味してしまうのかな。わからない。電話をかけることだけがやっぱり僕らをつなぎとめていたのかな。きっと見てないんだろうな。ならいつかは見るだろう自分へ。未来の自分へ。おてがみ。

ふとバッテリーがきれそうになって古いiPhoneを開いた。何気なく写真へ。いっぱい残ってた。君の写真。どれも思い出が詰まっていて。どれも可愛くて。涙が溢れてきた。今溢れてきている途中。やっぱり楽しかった。失って気づく。やっぱり恋してたのかな。君に。大切な存在だった。平均寿命は八十年くらい。その中の一年四ヶ月くらい一緒にいた。その月日は思いのほか長く、脳にへばりついていたのかな。やっぱり思い出すよ。何気ない会話とか、こんな時に撮り溜めていた動画がボディブローのように効いてくる。あぁ、心が痛い。この年齢で大きな失恋を二度もしてしまったのかな。失ってから気づく。あぁ人間は馬鹿な生き物だ。